予報士通信講座
平成20年 第30回 学科試験 専門知識 問3
"気象庁が行っているウィンドプロファイラ観測に関して述べた次の文章の下線部(a)〜(d)の正誤について,下記の(1)〜(5)の中から正しいものを一つ選べ。
ウィンドプロファイラは,観測点から約1.3GHz(波長約0.2m)の電波を上空に発射して,発射電波の波長程度の大きさの(a)大気の乱れ(空気の密度や水蒸気の不均一に伴う屈折率のゆらぎ)や降水粒子によって散乱されて返ってくる電波を受けることにより風向・風速を観測している。観測可能な高度の上端は,平均して約5kmである。
高気圧の圏内などで観測点上空の大気が乾燥しているときは,(b)大気の乱れにより返ってくる電波が弱いので観測可能な高度は低くなる。また,降水粒子が上空にある時は,(c)降水粒子によって電波の減衰が大きくなるので観測可能な高度は低くなる。
観測された風向・風速の鉛直プロファイルの時系列図は,通過する擾乱の構造の時間変化が小さい場合には,(d)擾乱を移動方向に沿って切った空間断面図とみなすことができ,台風や低気圧,前線等の構造の理解や実況監視に利用されている。"