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2024/11/11 17:06
次第にラニーニャ現象の特徴が明瞭に 西高東低の気圧配置が強まり厳冬、大雪の恐れも
きょう11日(月)、気象庁は最新のエルニーニョ監視速報を発表しました。
現在、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態と見られますが、ラニーニャ現象時の特徴が明瞭になりつつある状況です。
今後、冬にかけてラニーニャ現象時の特徴が明瞭になります。しかし、春までは続かないため、ラニーニャ現象の定義を満たす可能性(40%)もありますが、平常の状態が続く可能性(60%)の方がより高いです。
10月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は−0.4℃で、基準値に近い値となりました。
また、エルニーニョ/ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の8月の値は-0.3℃で、基準値に近い値でした。
太平洋赤道域の海面水温は西部で平年より高い一方、中部から東部では平年より低く、東部での低温傾向が強まりました。
太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より不活発で、中部太平洋赤道域の大気下層の東風(貿易風)は熱帯季節内振動の影響もあり、平年よりも強くなりました。
このような大気と海洋の状態は、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態とみられますが、ラニーニャ現象時の特徴が明瞭になりつつあることを示しています。
実況では太平洋赤道域の中部から東部で海洋表層の冷水が強まっています。
エルニーニョ/ラニーニャの動向を予測するコンピューターシミュレーションの結果によると、今後は太平洋赤道域の西部から中部で貿易風が強まるとともに中部から東部の冷水がさらに強まり東進するため、エルニーニョ監視海域の海面水温が冬は基準値より低い値で推移する可能性が大きいものの、その状態は長くは続かず、大気海洋結合の弱まりとともに海面水温が春にかけて再び上昇して基準値に近づくと予測しています。
以上のことから、平常の状態が続く可能性(60%)がラニーニャ現象の定義を満たす可能性(40%)を上回ると予想しています。
11月は日本付近は寒気の影響が小さく、秋の深まりが遅くなっています。
しかし、この先、次第にラニーニャ現象時の特徴が明瞭になります。
ラニーニャ現象が発生すると、西太平洋熱帯域の海面水温が上昇し、西太平洋熱帯域で積乱雲の活動が活発となります。
このため日本付近では、冬季は西高東低の気圧配置が強まり、気温が低くなる傾向があります。
冬になると一気に寒くなり、大雪となる恐れもあるため、お気を付けください。