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2025/08/12 19:56
エルニーニョ監視速報 冬季にかけて平時の状態となる可能性が高い
気象庁より12日(火)、最新のエルニーニョ監視速報が発表されました。
監視海域の海面水温は平常の状態が続いており、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない、平常の状態が続いています。
今後、秋ごろにかけて一時的にラニーニャ現象に近い状態となる可能性があるものの、その状態は長続きしない予測となっています。
7月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は-0.1℃で、基準値に近い値でした。また、エルニーニョ、ラニーニャ現象発生の判定に使用してい5か月移動平均の5月の値は+0.1℃で、基準値に近い値となりました。
太平洋赤道域の海面水温は、西部で平年より高く、中部で平年より低く推移した一方、東部では平年に近く推移しました。
太平洋赤道域の大気下層の東風(貿易風)は、中部で平年より強く、東部では平年程度でした。
対流活動は、インドネシア付近では活発になりましたが、太平洋赤道域の日付変更線付近では、平年と同程度となりました。
以上の経過から、エルニーニョ現象、ラニーニャ現象共に発生していない、平時の状態となっています。
気象庁の大気海洋結合モデルの予測によると、今後秋にかけて、太平洋赤道域で貿易風が強い状態が続き、監視海域の海面水温が低下すると予測しています。ただ、この状態は長続きせず、冬にかけて海面水温が上昇し、基準値に近づくと予測しています。また実況では、太平洋赤道域全体で冷水は蓄積されていないとの事です。
以上より、秋ごろにラニーニャ現象に近い状態になる可能性があるが、その状態は長くは続かず、冬にかけて平時の状態が続く可能性が高い(60%)という事です。
■エルニーニョ/ラニーニャ現象とは
エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。
逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。
ひとたびエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられている。